先日、腸の病気で1ヶ月ほど入院しました。幸い命にかかわることはなかったのですが、初めてのことで、ショックを受けました。
 その間に小説を御購入いただいた方には、パスワードの送付が遅れ、大変御迷惑をおかけ致しました。
 思い起こせば、2000年に第一作を発表して以来、サラリーマン生活を続けながら創作にいそしんできました。現在も、新作を構想中です(なかなか筆が進んでいませんが)。
 当初は、各種の賞に応募しましたが、どれも引っかかりませんでした。自費出版も検討しましたが、1冊200万円近くかかるので、二の足を踏んでいました。もちろん、編集者が必要なことは認識していました。
 第一作では、二宮尊徳研究における第一人者の先生が、無償で校正をかってくださいました。新聞社からの出版も勧められたのですが、それでも踏ん切りがつきませんでした。ましてや、全6冊となると1000万円以上の出費となり、もはやサラリーマンの道楽の域を超えています。
 そんな折、インターネットという文明の利器が登場しました。情報の発信に費用はほとんどかかりません。しかし、その代わり、情報の受信も無料というのが基本です。
 売れるかどうか。とりあえず、ワープロベースでホームページを開設致しました。
 はたして、幸いにも、今日までに数百人の方に御購読いただきました。複数冊買っていただいた方も少なからずおり、中には全作品御購入という奇特な方もございました。概して好評で、金を返せというようなクレームは皆無でした。
 中でも、関西にある中学校の先生が、授業の教材に使いたいと言ってくださった時には、涙が出るほどうれしかったのを覚えています。売上はたったの1冊ですが、多くの若い人たちに読んでもらえるのは、本当にモノ書き冥利に尽きるというものです。
 インターネットでお金が取れる小説は、Hなもの、いかがわしいものだけと言われています。まともな歴史小説にお金を払っていただけるのは、ある意味奇跡的なことかもしれません。
 あと何年生きられるかわかりません。先月には、人間ドックも初めて受けました。いろいろと異常値の印が付くものです。
 再び病気になり、パスワードの送付等で御迷惑をおかけするくらいなら、いっそのこと無料にして、これらの手間から解放される方がいいと思うようになりました。そこで、この度、ホームページ開設の趣旨にも立ち返り、無料化に踏み切ることに致しました。
 拙い小説ですが、お時間が許せば、どうぞ御自由に御覧になってくださいませ。また、見聞レポートや史跡紀行も可能な限り続けていく所存ですので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 2016年8月
    久田巻三

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