7.8降格に次ぐ降格で部長から平社員に
復職後は、元の品質管理部門に戻ったが、仕事は、社員の手伝いをする程度だった。出勤は、短時間勤務から始め、フルタイムとなった後も、残業は禁止されていた。
最後の手段となった覚醒剤(4.4章参照)で、何とかもってはいたが、それが厚生省により規制されると、反動で急激な落ち込みとなった。また出勤できなくなり、その後、さらに半年間の休職となった。
翌年の人事考課で、私は課長に降格された。その何年か後には係長に、さらにその後、平社員にまで落ちた。年収も、往時の三分の一にまで激減した。
一つだけ覚えていることがある。人事発令の場で、私は、抗議の声を上げたのだ。めでたいセレモニーの席で、そのような事件が起こることなど、前代未聞であった。今でも、その時の事業部長の戸惑った顔や周囲の昇進者たちの唖然とした表情を思い出す。
鬱病で正常な判断力が欠如していた私は、社長のせいだという思いが強かったのであろう。あまりに悔しすぎて、このような行動に走ってしまったのだと思う。今思えば、本当に常軌を逸していた。人事発令などは無視して、出席しなければよかったのに。
当社において、ここまでの降格人事の例はおそらくないだろう。この時、私は、会社を辞めることばかり考えていた。だが、家族を養うには、お金が足りない。EXELで何度も計算し直したが、結果は変わらなかった。私には、生き恥をさらすしか術はなかった。
次章 8.再再発する−50代 8.1仕事がない−戦力外へ