第３の謎：何の説明もなく、唐突に「女王国」という言葉が出てくるのはなぜか？
伊都国のところで、「代々王がいるが、皆女王国に統属している。」と、いきなり「女王国」という言葉が、何の説明もなく出てくる。
もし、倭国のことを何も知らない人が、この部分を読んだら、ここで必ず引っ掛かるに違いない。倭国の都に到る道程と国々がつらつらと書かれているところで、唐突に「女王国」というまったく新しい国が出てくる。
「女王国」とはどこじゃ。
と、文句を言う人は、しかし、いなかっただろう。梯儁らが派遣される以前に、すでに倭使一行と接触していた帯方郡では、倭国が女性を王に戴いている珍しい国であることが周知されていた。
つまり、当時、倭国は、女王が君臨する国だということが知れ渡っていて、著者も気にせずに使ったのであろう。