第17の謎:不弥国はどこにあったのか?

 

表2にも示したように、対馬国、一支国、末盧国、伊都国、奴国の比定地については、多くの人の間で、ほぼ異論がないようである。

 

不弥国については、連続読みだと、奴国の東百里にある。水行か陸行かは記述がないが、次の投馬国が水行二十日なので、不弥国も海(または川)に面していなくてはならない。不弥国を、音が似ている宇美に当てるのが通説だが、宇美は内陸の小盆地なので、疑問が残る。

 

不弥国を、飯塚市の近くの穂波に比定する説もあるが、さらに内陸である。

 

放射読みだと、伊都国の東百里にあることになる。投馬国との関係がないので、内陸でも海辺でもかまわない。だが、適切な比定地がない。里程が明記された最後の国なので、その場所の特定はきわめて重要なのだが、決め手がない。

 

謎5で明らかにしたように、不弥国は、魏志倭人伝に『有千餘家』と、「家」の字が使われている。狭い盆地に人家が密集した様を表しているとしたら、やはり宇美なのであろうか。しかし、港がない。

 

ここは、百里戻って奴国の港(那ノ津)から投馬国に向けて船出したと考えてもよいのではないか。現代の地図を眺めても、奴国(福岡市・春日市)の東は内陸であり、海はない。

 

第18の謎